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その領地内にある道を、一人の少女が歩いている。
それは、アリア・V・ワーズウェルト、その本人であった。
実を言うとアリアは、“世界”が派遣した転生者であるのだが、“ランテージでもしも産まれていたら”の状態で、一度魔法学校の区切りである15歳の少し前の14歳に転生した魂でもある。
ただ単にやや遅く生まれたため、現時点ではまだ14なだけでもあるが……
大抵は始め10の時に小等学級の学園に入り、魔法について習い始め、15になる学期の時に試験を受け、魔力が強いものと弱いものが別れて上等学級の学園に入り、そこで進路を決めてゆき、20で卒業するためだ。
例え魔法が使えるとしても、中級以上の魔法を扱える才能があるのは一握りだけ。
その中でも更なる才能を持つ人が集まるのが、東西南北にある大国に囲まれている中央の中立の小国、《オーロン国》の、大きな一つの学園都市である。
オーロン国は国というよりも、国自体が学園都市の様なもので、理事長もとい学園長が国王の役回りをしており、将来性のある子供達を育成し、それを補助している大勢の人がオーロン国民というという形にもなり、住んでいる……というものである。
元はれきっとした国だったのだが、昔、各国で将来性のある者達が入学し、国を代表としての成績争いや、4大国に囲まれているのもあってか各国の事情を知るのに丁度よく、貴族や商人など、様々な家の子供が入学を求め、それに国が答えて言った結果が、国丸ごと学園都市という形になったのだという。
そんな歴史もあるためか、酷く多くの人が集まる学園であり、アリアの兄も通っているという、オーロン上等学級魔法国立学園。
いくら国を丸ごと学園都市としたと言っても、入学を希望する人が膨大なため、入学するのは至難な状態でもあり、更に才能や将来性がなければ、入ることが出来ないのだ。
なので、アリアの様に小等学級時に15になる年の者は、来学期に上級学級に入るための3ヶ月の自主鍛錬期間が与えられる。
ちなみに一度2ヶ月経った辺りで学年末テストをする。
それが今まで小等学級で学んできた成績としての最終成績となる。
その1ヶ月後に、上等学級に入るための最終テストが行われる。
という流れになっている。
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