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「だあああぁ!到、着!」
ほとんど息を荒くすることなく到着したアリアは、それなりの広さの林に着いても、辺りに人の気配が無いことに少しガッカリしつつ、渋々アリアは林の中を全力疾走(但し魔力付与なし)をする事にし、林の中を駆け回る。
林といっても、ほとんど人が手を着けていないため、広々と木々が立っている所もあれば。隙間があまりない状態で生えている木々もあるのだ。
その中を、出来るだけ早く走ってみる。
これは直ぐに察知・回避に繋がるだろうという思惑だ。
下手すると根に足を取られたり、避けた先に枝とか、別の木が生えていたりと意外と危険な事だったりする。
とっさの対応に良い気がしたのだ。
実質、その予想は当たっていた。
「わわ!」
走ると、足に草が絡んできて走りづらく、木を避けた時枝が目の前にあり、それを避けると別の枝が出ていたのだ。
足を緩めると、確かに回避できるがこれでは意味がない。
体を最小限で回避しなければ、あまり大振りに回避すると次が見えづらい。
(思ったより、キツい!)
予想以上に足に草が絡み、地面はぬかるんでいるのもあって滑りやすくなっている。
その上枝が想像以上に尖っていたらしく、肌に掠り、痛みが僅かに広がる。
それでもなんとか転ばずに走り、目標としていた一周に到着しようとし――……
「あ」
ゴン!
良い音を立てて、アリアは太い幹に頭をぶつけたのだった。
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