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「いった~~~~……」
いい感じに、ジンジンと頭が痛い。
まるで「こんなんじゃ駄目なんだよバーカ」とあざ笑われているかのように伸びていた枝に向かって、一度睨んでみる。
けれども、直ぐに目を伏せる。
「……失敗、か……」
何となく、非常に虚しく思えてくる。
やはり、さわり程度でも良いから手本や指導をしてくれる師が欲しい。
想像以上に、一人だと何も出来ないのを悔しく感じる。
そうアリアはヒシヒシと感じた。
(あーあ……それにしても、誰にも見られてなくて良かった。こんな所を見られてたら――ってあれ?こういうのって……)
嫌な予感がして、アリアは辺りを一見する――すると、そこには人が一人……
「……見事に赤くなっているぞ?」
(やっぱりいいいいいぃぃ!フラグが、フラグが建ってるううううぅう!!けど成長じゃなくて羞恥フラグ!?いらんわ!ほんと!!)
来る時はあんなに望んでいたフラグでも、“成長”ではなく“羞恥”だったようで、自分が失態を犯している時の姿は見られたくなかったため、アリアは恥ずかしさから相手を睨む。
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