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(そういえば、私、滅多に鏡を見ないし、自分の顔なんてキチンと見た事ないや……後で見よう。
けど、世界に容姿を良くしてくれなんて言ってないしなぁ……自前?うわぁ……)
よくよく考えると、アリアはまともに自分の顔を見たことがない。
家に鏡が設置されていないから、と言うのもある。
それ以上に、身支度など、自分でやらない。
使用人が良く手伝おうとしてくるのだ。
今では一通りのみ自分でやらせてはもらえるが、その後の手直しや「ケア」はやらせてくださいと土下座されたのを記憶している……ん?
「あのさ、メイ」
「なんだ?」
「私って、美人とかの部類にはいるの?」
「まあ、入るんじゃないか?一応まだ幼いから断言は出来ないが、将来を考えれば、必然と」
「……そう」
(なんつぅめんどくさいことをおおおおおおおおぉぉぉぉ!!)
この時アリアは世界を恨んだという。
「……ということは、あの先生達が私に必要以上に実技を教えないのも、兵士に頼んでも全く手合わせとか修行をしてくれないのも、魔法を頼んでも教えようとしないのも、友達が出来ないのも、全部……!」
「いや、最後のはお前のせいでもあるんじゃないか?」
「そ、そんなわけ無いもん!話しかけようとしたら避けられるだけだもん!」
記憶上では女子に話しかけようとすると、避けられるのだ。
後はさわり程度に話すと逃げられるなど、どう工夫を凝らしても避けられる。
既にアリアには理解できない状態になっていた。
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