過保護とは酷く厄介なものだ。

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出会った時から二月の間、アリアはメイにみっちりしごいてもらうことになった。 今まではそれほど出来なかった修行だが、メイの指導により、始めは筋肉痛などに悩まされかけたが、メイの薬で早く治り、あまり休まる間もなく続けられた。 「ただ腿の部分を上げて走るだけじゃなく、腰も使え」 「はい!」 「魔素は空気中にあるもので、これを吸うと体に溶け込んで、魔力の足しにもなる。 僅かでも多く取りれるために、鼻から息を吸って、口から息を吐くようにしろ。 その方が効率よく取り入れやすい」 「わかった!」 「魔力は血の様なもので、故意的なものが無い限り体中を巡るものだ。 だが、魔力を効率よく巡らすのに馴れていない場合頭・胸・腹には多く留まりやすく、逆に手足には留まりにくい。 魔力を常に均一に巡る様にして過ごせ。 慣れていないと、僅かにでもムラが出来ると、直ぐにバランスが崩れるからな」 「む、むず……」 「属性を気にするな。まずは己の魔力だけでやれ。 質は良いんだから、まだ巡らせやすいだろ。魔力を限りなく薄く、頭、胴体、腕、足の裏だけ纏え。 それで走り込みを100周な。 その後頭、手の平、足の裏のみ薄く纏って素振りを1000回」 「…手足の重り、増えてるんだけど」 「気のせいじゃない。行ってこい」 「……行ってきます」 このような調子で、修行は続けられた。
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