過保護とは酷く厄介なものだ。

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一応メイも参加してやっている時もあるが、基本旅人。 生活資金が無ければ生きていけないため、薬を販売したり調合したり、又は一度領地を出て薬草などの調達をしなければならない。 何度かアリアが宿代だけでも出すと申し出たが、メイはそれを拒んだ。 修行の後は必ずと言っていいほど、商品に回すような薬をアリアに渡し、「これで疲れを癒せ」と渡すのだ。 収入はそれほど高くないだろうに。 なので、アリアは不満だった。 (何かお返ししたい。友達になってもらったのに、それらしいこと出来てないし、修行見てもらっているのに、薬とか貰ってばかりだし……) 前は体中使っていなかった筋肉が痛かったが、今ではそれも無い。 あったとしても、メイがくれる薬で直ぐになくなるのだ。 一度筋肉でごつくなったり腹筋が割れるかと思ったけど、このランテージだとマッスルになりにくいらしい。 いわゆる個体差が出るんだとか。 けれども筋力は格段に上がるので、どういう仕組みで強くなるのかちょっと気になる。 前と変わったのは、「ケア」をしている使用人が「心なしか、前よりお肌が瑞々しく……?あ、いえ、前からも瑞々しいのですが」と言われたくらい、かな? ……出会ってからすでに一月も経ってる。 何か返したい。 「何をお悩みに?」 「コーネール……」 「珍しいですね。以前はそう複雑そうな顔をなさったことがありませんのに。何か、ありましたか?」 (以前、と言われても、微妙に無機質なあの記憶の中での私は、確かにしないだろうな…) そんな事を、コーネールは知らない。
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