過保護とは酷く厄介なものだ。

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「…めんどくさいことになったな」 実は宿屋の屋根に移動しただけだったメイは、元々こうなる予感はしていた。 一応、貴族にして領主の娘。 しかも、兵達が称賛するほどだ。 むしろ、遅かったと思うほど。 「まあ、これに対してあいつがどう出るか…」 アリアはこの事を知って、どう出るかを予想してみた。 だが、アリアは根が真っ直ぐな所がある。 だから、予想は簡単に、結論に至った。 「……まあ、アリアのためだ。向かってやるか」 星空が澄み渡って見えるほどの綺麗な空では、月が登っている。 いずれ月明りで見つかるだろう。 風が淡く吹いた。 一方を見る。 「…来てるのか」 メイは、アリアのがこちらに向かっているのを知った。 僅かにため息をついてリュックを背負いなおし―― メイは次の瞬間、屋根から消えた。
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