過保護とは酷く厄介なものだ。

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誰にも見つかることなく屋敷の前まで来た時、メイは止まった。 「見つかったようだな」 「へ?」 「アリア様!どうかこちらに!」 いたぞー!という声と共に、多くの兵士や使用人、一部の民間人がワラワラと集まりだした。 それは簡単に人の壁が出きるくらいに、大勢の人数だった。 中に教師が入っているのは、見間違いだと信じたい。 「ええー……何これ」 「全員おまえを過保護にしてる奴らなんだろ」 「なにそれ怖い」 こんな状態になると、人は焦るのを通り越して冷静になるようだ。 思わず真顔で即答したよ。 「アリア様、すみませんがそちらの無粋な輩をこれから尋問にかけますので、離れてくれませんか?」 「コーネール……その意見は却下するわ。 というより、その手に持っている鞭はなに?」 「嫌ですねぇ、尋問用に決まっているではないですか」 「決まってないわよ。今直ぐ下がりなさい。 そもそも、彼は私の友人なの。そんな事許さないから」 そう言って、アリアは持っていた木刀を構える。 その事にザワザワと戸惑う民衆。 「な、アリア様が木刀をお持ちに!」 「そんな……」 「あの目つきの悪い輩にほだたされたんだ!」 「ああ、打たれたい」 外野が何か言っている気がするが、気にすると駄目だと無視しながら、コーネールを見つめるアリア。
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