過保護とは酷く厄介なものだ。

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「コーネール。それに使用人の方々や兵士達、君達の仕事は何だ?」 「はっ!この領地を守るためでございます!」 「はい!このお屋敷の管理をするためでございます!」 「お屋敷に勤めることと、アリア様のお世話をすることであります!」 上から兵士、使用人のメイド、そしてコーネールが答える。 「そうだね。だが、今はなにをしている?屋敷はもぬけの殻、領地を守るどころか、守る対象の民間人まで巻き込んでいる。 そして、アリアが“友達”という者まで危害を加えようとしている。 それのどこに、君達の仕事は含まれていると言うんだ?」 「そ、それは……」 「アリアは確かに私の子だ。 だが、それと同じように一人の子だ。 特別扱いは“身分”が出た時だけにしてくれたまえ。 さあ、各自仕事に戻りなさい。 でないと給料は無しとさせていただく」 「「「「「「「「直ちに戻ります!!」」」」」」」」 平然と給料カットの宣言をすると、使用人は皆素早い早さで仕事場に戻った。 やはり全額カットは嫌なのだろう。 コーネールは涙を浮かべていた。 「甘やかすな」と窘め(タシナメ)られたからだろう。 この場にいるのは、民間人とメイとアリア、そしてアーゼンとなった。 「皆さん、この度は使用人達が騒がせてしまいすみませんでした。 この度はワーズウェルトとして謝罪させていただきます」 そう言って頭を下げるアーゼンに、民衆はどよめいた。 「あ、アーゼン様が謝ることでは…」 「私達が勝手にやっているようなものだし…」 「あのアーゼン様が、我らに頭を…!」 アーゼンは人望あるためか、頭を下げたことに大いに躊躇った。 その中に嬉しそうな顔をしている人がいるのは見たくなかった。 ……あれ?下流貴族……民間人……アレ? ナニカオカシクナイ?
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