過保護とは酷く厄介なものだ。

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「ですが、私の娘、アリアがハッキリと、友人と呼べる者が今まで居なかったというのもあり、そのため使用人が混乱したのも事実。 今まで娘の成長を見届けてくださっていた皆さんにも、心配を掛けてしまった様です。 ですが、二日後にアリアは15になります。 ワーズウェルト家では15になると一人前として扱うのが決まりです。 ここは一つ、15になる前に娘が成長したと喜ぶべきだと私は思います。 そして、そんな我が子の成長を今まで見て頂き、皆様ありがとうございました。 どうやら立派に育っていたようで、私は嬉しい限りです……」 何故か、徐々に広がってゆく拍手。 そこには何故か涙を浮かべている人までもがいる。 だが、その光景を見ている二人は違った。 「……さりげなく酷いな、おまえの父親」 「……」 しばらくして事が収まり、民間人は自分の家へと撤退していった。 それを見届けた後、アーゼンは改めてアリアとメイを見た。 「さて……どのようにしてこのような状態になったのかは、それなりに推測出来るから聞かないでおこう」 「……お父様」 どこか力なく項垂れているアリア。 そんなアリアを、アーゼンは一度、どこか躊躇いがちに見る。 そしてアリアの横にいるメイに目を向け、一見した後口を開いた。 「すまないね、何やら巻き込まれてしまっていたようだね。 君は確か薬を売っている者だったかな?確か、旅人だと」 「そうです。自分で採取したもので調合し、薬を売って生計を立てています」 「そうか。あの薬は好評でね、とても良い出来で良く効くと言われているんだ。薬品に詳しい者も驚いていたよ。 それにアリアが世話になったね。 最近逞しくなったのは、君のお陰だろう?」
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