過保護とは酷く厄介なものだ。

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あまり会わないとはいえ、流石父親と言うだけはあるのか、どうやらアリアの修行に付き合っている事などはお見通しのようだ。 「いつから解っていましたか?」 「ここ最近、だね。前よりか格段に、アリアの魔力が良くなっている。 どのような修行をしたらここまで上昇するのか知りたいくらいだ」 「それは彼女が頑張っているからですよ」 「確かに。アリアは努力家だから」 さらりと二人から誉められているためか、会話を聞いているアリアは、何となく恥ずかしくなる。 「それで、君はいくつなんだい?アリアと同じくらいだろう?」 「同じくらいですね」 「なら、君も上等学級の学校に通うといいだろう。 アリアと同じ所にいってくれると私も嬉しいのだがね? それらに対する資金はこちらが払おう。 それで、今回迷惑をかけた分等の貸し借りはチャラでどうだい?」 にっこりと微笑むアーゼン。 まるで裏がなさそうな爽やかな微笑み。 「……そうですか。お言葉に甘えます」 「そうか、なら、今日から私達の家に泊まると良い。 客人として招待しよう。 その方がいいだろう?」 「……感謝します」 「夜も遅い。早く家の中に入るといいだろう」 そう言って、アーゼンは屋敷の中に入ろうとした。 「あ、お父様、一つ許可をもらっても良いですか?」 「ん?なんだい、アリア。返答次第では答えかねるよ」 「コーネールを叩きのめす許可をください」 「…そうだね。今回の騒動の原因は彼だ。その範疇でなら、私は許可をしよう」 さらりとそう言い、アーゼンは屋敷の中へと戻っていった。 メイはそんなアーゼンの背中を見て、アリアは左手に持った木刀を握りしめつつ頭を右手で押さえ、ため息を一つついた。
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