異世界転生モノは始めに死ぬのって多いよね。

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「ミスで私が死んだのは解った。 それで、どうしたいの?って聞いているんだけど」 なにも、寿命を迎える人をチェックしていたら、ミスして私の寿命が一気に無くなって事故死ですー。 っ的な流れで今いるんだけど、そのミスが神がやったらしい。 だからと言って、当の神がこんなのでいいのか? 今後の周りの奴らの苦労が目に浮かぶようだわ。 「い、いえ…さすがにこちらの不手際で死亡させてしまったので、その……お詫びとして、別の世界になりますが、望むような転生をさせようかと思っていまして……」 「やっぱりか!」 「え?や、やっぱりって…」 「あ、それはこっちの話ね」 そりゃあテンプレのような台詞が出てきたらツッコミたくもなるわ。 「で、どんな世界?」 「ええとですね、貴方がいた世界では科学が発展していましたが、あちらは魔法というものが発展している世界です。 魔法は日常的に使われているので、文明からしたら遅れてはいるものの、目を見張るものが多い世界です。 動力が熱や電力なのに対して、魔力というもので代用している、と言う感じになりますね。 素質がなければ強い力を使えないので、誰もが魔法で簡単に多くを殺せるというわけではありません。 まあ、物は使いようですが。 そして魔物も蔓延っているため、軍や討伐隊の方々もいる世界になります。 私が担当しているのは貴方の世界とこの世界のみなので、必然的にこの世界になってしまいますが…」 ちょっとまて。 貴方の世界とこの世界…? 「やっぱ他にも世界があるの?」 「え?ええ…非常に多くの世界があります。 世界ごとに認識が異なるため、世界ごとに“いくつ世界があるか”の総数も異なっていますが、少なくとも、私は数え切れないほど、世界があると認識しています」 うーん……腐っても、神なんだろうか? 「認識……てことは、行き来は?」 「出来ません。 少なくとも、グループとして括られている世界外は行き来はほぼ不可能となっています。 もちろん例外はありまして、死んだ後の魂は、大抵は元々いた世界、グループ内の世界に留まりますが、それを越えて、他の世界に行く魂もあります。 それが例外ですね」 説明しつつ、涙や鼻水で汚れた顔を綺麗にしている。 ヘタレた神だとは思っていたけど、この説明の時は結構まじめな顔で説明している…少し意外。
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