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「……お言葉ですが、だけというのなら、何故誇張するのでしょうか?
噂話というのなら、特に気にせずに堂々と、目の前にいる本人に聞いたら良いではないですか」
「え…ええ~?ですけど、さすがにアリアちゃんの口からは出し辛いかと思「噂の元となっている私が、貴方の目の前にいらっしゃるというのに、回りくどくお父様に聞いて、周りに同意を得ようとしている様に見えます。
それに、その程度で口を閉ざすほど、私は弱い精神を持っているつもりもありません」
わざと、ガイア夫人の言葉の最後を、大きめの言葉で被せてみる。
あまり語尾を~って伸ばしてるのを聞くの、私好きじゃないし。
それに、女は推測で物事を判断しやすい。
いや、人は皆そうなのかもしれない。
変な噂が流れれば、誰かがそれを誇張・拡散して、真実なんて無いに等しい結果が広まって覚えられていく。
「噂は噂。真偽は本人に聞かなければ、それを全て知り、理解している方でなければ、結局は噂のままで終わり、それが真実に成り代わります」
それが結局皆の中では真実になって、本当のことなどは通用しなくなって、多くが噂だった真実を胸に、本当の真実を弾劾(ダンガイ)する。
私が転生する前に受けたことが、そうだった。
「確かに私は、今行っている学園で出ている成績は平均です。
が、それは私自身、学ぼうとする意欲を持ちながら、教えを請うても教えて下さる師がおりませんでした。
解らぬ所は、他人に聞いても疎遠され、はぐらかされてしまい、友も出来ずにいたため知識を共有することも出来ず、それに本を見ても全てを理解しきるには不十分でもあります」
この際、恥は捨てることにした。
もう三日前に暴露しちゃったし……お父様が。
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