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それにこのランテージでは、教科書のみでは、完全に理解出来ないようになっている。
重要な所が、わざと欠けているのだ。
そして、その重要な所を、授業で先生が教える。
つまりは、教える者がいないと勉強が出来ない仕組みになっているのだ。
それを、メイが一昨日ざっと教科書を見た時に「……肝心の重要点が書かれていないな、これ等」の一言で、判明したことだ。
酷いと、教科書に嘘まで書いていやがった。
ちくしょう、なんという信用ならない教科書だ。
道理で一人でやっても解らない所が満載なわけだ。
先生が居なくても解るためには、それ用の参考書が無いと出来ないっていうのも、何だか生産者側からの腹黒さを感じる。
「ですが、試験前の休みになり、私にもやっと、一人の友であり、多くを知り、教えてくれる師が出来ました。
彼が言うには“才能はある”との事です。
元々中級魔法は使えましたから、上は目指せるということは知っていました。
その友が言ってくれました。
「兄と同じ所に受からせてやる」……と」
正しくは、良い成績で、が入るけど。
一応、私の兄はオーロンに行ったことを大抵の人が何故か知っている。
上位の成績収めてるみたいだしね。
「私は、その友の言葉を信じて特訓を行っています。
なので、“才能がない”と決めつけるかのような言動は、私を陥れようとして聞こえます。
例え今から特訓した所であまり成長が出来なくとも、オーロンに入れなくても、私は最終試験に全身全霊を持って挑みます。
そこにはワーズウェルトの家名ではなく、私個人の実力が出ます。
それに、最終試験以外の成績は基本、目安です。そこに本来の実力が出る訳じゃない」
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