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「……娘が、大変失礼しました。ガイア夫人。私からも謝罪します」
「――え?あ……いえ~、ハシィも、言い方が悪かったようですから、誤解を生んでしまったかもしれませんね~。
ですのでぜ~んぜん気にしてはいませんよ~」
お父様も私と同じように頭を下げ、ダーク夫人に小突かれて我に返ったガイア夫人は、素知らぬ顔でそう言った。
その声は、なんだかぎこちない。
「そうですか、ありがとうございます。
アリアはあまり、この様な社交的な場に馴れてはいません。
少し、休ませてきます」
「……不慣れで、すみません。
席を、外させていただきます」
お父様は顔を上げて、私をエスコートしてくれるのか、腕を出してくれた。
私は、頭をあまり上げられず、ただその腕に捕まる。
「……無理は、良くはないものですしね。お早いですが、休んでくると良いでしょう」
「……お気遣い、感謝します」
ダーク夫人が気を利かせて声をかけてくれて、私は早々に休ませて貰うことになった。
部屋までは、何故かお父様がそのまま付き添ってくれている。
警備中の人にお父様は少しだけ話して、私達は二階に上がった。
二階の通路には、何故か私とお父様だけだった。
居るはずの使用人は、誰もいない。
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