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「……え、何これ」
「何とおっしゃられても、ペンダントですわ」
「恐らく……魔力のある石かと。結構貴重なものとお見受けします」
冷静に返してくれるのはいいんだけどさ……
言っておこう。
確かに、私は今はアリアだ。
アリアとしての価値観とか、そう言うのも、引きこもりでもそれなりには備わってる。
……でもね、変な所で、私には転生前の価値観が強く混ざってるんだよ。
ちなみに転生前は貧乏な感じでした。
つまり――……
「……わぁ、学生がこういうのを送るなよ」
喜べない。
素直に、要らないという一言しか出ない。
「あら、嬉しくありませんか?自分の色の物を送るのは、大変喜ばしいことと思われますわ?
これはお兄様からですが、殿方から送られるというのには、とても好ましく思われているということになりますわ」
「そうかもしれないけど、学業に取り組むはずの学生が、そういうのを送るのがあまり好きじゃないの。
それに、私こういうの好きじゃない」
カポッと、箱に蓋をして、机に置いてもらう。
「そうなのですか?大半のプレゼントは大変高価な物が多いですが……」
「……どうしてそう、高価なものだと、私が喜ぶと思っているかなぁ……?」
積んであるプレゼントは、なんか高級そうな服やら香水やらアクセサリーが大半。
しかも、それらは貴族の方々からの贈り物らしい。
……全然面識がないんだけど、どうしてくれるのかが不思議。
お父様と面識が有る人から来てるのかなぁ?
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