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「いいよ。事情はわかった。つまり、あっちに転生してバカ共を粛正すればいいんでしょ?」
「え、そこまでは流石に……
なるべく、微力でも改善の方向に向かわせて欲しいですが、そこまでは……」
「そんな生ぬるい事じゃ駄目だね。
解らせないと、バカは尚更つけあがるものなんだよ。
今後、改善させたいなら根本を正さないと」
ただ、それだと対抗されるとやっかいになるから対抗手段は欲しいけどね……
「……なら、私からはいくらかの力をお渡ししましょう。
ですが、私には転生者のような力は与えられません…私は神ではありませんから」
「えっと、あんた、世界は基準構成、その構成するための力を確保、維持、補正、魂の確保。
バカ神は世界の基準の管理、状態バランスを維持しつつ、多くの生命の管理をするのが仕事だっけ……
あれ?じゃあバカな神はどうやって力を分けてんの?
どう考えたって世界の方が凄い力を与えられそうなのに」
世界が構成とか補正が主なら、神は管理が主じゃねーか。
どう聞いても世界の方がいい能力を与えられそうなものを。
「…それはですね、管理だけでは非常事態には対応出来ないために、それなりの権限を与えられているのです……
ですが、その権限を使っての、権限乱用をすることで……
転生者に世界の基準の管理権限、さらには状態バランスを維持するためのはずの力の一部を……転生者に与えているのです……うぅ……」
……そう言いきると、世界は泣いた。
ヘタレだと思っていたけど、こう見えて玄人だったとは……
そりゃ、泣きたくもなるし嘆きたくもなるわ。
私だったら少なくとも殴りに行く。
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