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「で、ですが――」
「私のことは良いから、他の来客の方々の安全確保をしにいきなさい。
まだ完遂まではしていないんでしょう?」
「そ、それでも、主はワーズウェルト様です!
主の危険は、見過ごせません!」
鎧で顔を覆っているから、区別は付かない。
けれども、こんな状況でこの台詞を言えるなら、覚悟は彼なりにしていて、忠誠も、きちんとやったものかもしれない。
「――なら、その忠誠を、私じゃなくてお父様に向けてよ。
いつかはこの家から出る私より、この家を今後とも支える人に」
訳:取りあえず修正能力練習したいから余計なことをするな。
なんか他にも何か言われそうな気がしたから、とっとと階段を上って自室に戻ることにした。
案の定、「あ、アリア様~~?!」と悲痛な声が聞こえた気がするけど無視。
階段を上りきって、角を曲がると、壁にもたれ掛かるようにしてメイが立っていた。
「行くんだろ?早くしろ」
「……着替えてくるから待ってて」
メイのなんか解りきった対応に、少しため息が出る。
その対応の早さはどこから来るんだろう?
小説とかじゃ、こういう人が良く居たりするけど、現実じゃあそうはいかない。
私って分かりやすい奴なんだろうか?
なんか腑に落ちない。
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