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靴は、パンプスみたいなヒールになっていない物を選んで履く。
化粧は化粧落としでちゃっちゃと落とした。
薄化粧だったし、丹念に落とす訳じゃないから直ぐに終わった。
あ、アクセサリー外すの忘れてた。
とっとと全部外して、髪型もツーサイドアップから、動きやすいポニーテールにする。
今までツーサイドアップばっかだったから、違和感がするけど、この状態で部屋から出る。
……終わったら、髪型直ぐ戻そう。
これもいいけど、慣れてるのが良いや。
「お待たせ!」
「ずいぶん時間がかかったな」
部屋から出た途端にその一言かよ。
た、確かに急いだとはいえ少し時間掛かったけどさ、これは不可抗力。
「し、仕方がないの!女の礼服は手間がかかるのばっかなんだから!」
「それに、その服で平気か?」
「……動きやすい、汚れても捨てても良い服が部屋になかった…」
「…そうか。まあ、取りあえず護身用に剣を貸す。
持っていないんだろ?」
「あ、ありがと。
持ってはいないけど、無かったら無かったで兵士の人の武器庫から勝手に取ってこようとしてたから、手間が省けたよ」
「……」
あ、少し呆れてる。
メイが渡してきたのは、刀身が細目でやや短めの、けれどもしっかりとした作りになっている片手剣。
柄の所が布になっていて、滑りにくくなっている上に手に丁度良い。
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