浄化とかって大抵光か炎のイメージだよね

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少し縦長なヤシャール領の南側は、ファボット領という横に広い領地となっている。 狭く自然豊かなヤシャール領とは違く、アリア達のいるライザール国の三大交易街とも言われるほどに盛んな領である。 そんな中、ファボット領で一番ヤシャール領に近い、《アジャン街》は中でもその中間地点にある街。 そこに向かう道中には《トワレの森》という森が横断している。 そこに、通りやすいように広い道を造り、高い壁を作ったためトワレの森は東と西に分かれている状態となっている。 だが、その魔物が、通行している人や街、比較的には少ないがヤシャールの方まで襲って来ることは、稀ではなかった。 そのため、ファボット領側にはそれなりの外壁が設けられているのだが、 今回襲ってきているネズミ型の魔物は壁をよじ登り、中に進入してしまっていた。 外壁には結界が付与されているが、それは外壁が壊れないようにするための物であって、進入を防ぐことは出来ない。 兵士達が魔物に気づいたのは結構な距離があったが、兵士が対応出来るまでにはすでに壁間際まで来てしまっていたのだ。 念のためと、間をあけての二枚の外壁で遮られていたため、大半の兵士は外壁の間と、ヤシャール領内で現在戦闘中… なのだが、あまりの数と、その素早さに、取り逃がすのも少なくはなかった。 「第六部隊、捕縛魔法を展開!」 「は!!〔大地は汝を逃すことを阻む・チ・アースキューブ〕!」 ボコォン! 多くのネズミ型の魔物の周りを地面がせり上がり、一部の魔物を覆い被せて捕縛をしようとする。 だが危険を察した魔物は、半数近く閉じきる前に脱出してしまい、外に飛び出てしまう。
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