829人が本棚に入れています
本棚に追加
「〔ヒ・スライサー〕!」
「ジャン!」
とっさに他の兵士が風の攻撃魔法で、ネズミを攻撃する。
その魔法は鎌鼬の様に、斬撃となって対象に向かって行き、鋭い斬撃を対象にくらわせ、魔物が吹っ飛ぶほどの威力を示した。
……が――
「――やはり、あまり効かないか…」
苦戦している理由、数と素早さもそうなのだが、一番の理由は魔法に対する抵抗力の高さだった。
綺麗にくらったはずの攻撃は、皮一枚だけ切っただけなのか僅かに体液が出るのみ。
それ以外の外傷は、一目見る限りではそれのみであった。
だが、あくまで魔法に対する抵抗力が強いだけ。
吹き飛ばされた事によってバタバタと手足を狂ったかのようにバタつかせているネズミに、兵士達は所持している武器で止めを刺した。
すると、全くの抵抗なく武器は魔物の体を貫通し、倒す事に成功する。
どうやら魔法には抵抗が強いようだが、物理にはめっぽう弱いらしい。
それを考えると、いくら倒しても減る様子を見せない魔物の数に、無意識に舌打ちをしてしまう。
「チッ――全く、最近の魔物は……」
そのネズミ型の魔物は、酷く気味の悪い形状をしていたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!