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「夏夜」
廊下から声がして、私や周りの人がそちらを向いた。
「あれって赤司君だよな」
「何で赤司君が…?」
ざわざわと声がし始めてきょとんとしているて、征ちゃんはまた口を開いて、
「悪いが、少しそこの子を借りるよ」
そう言った途端、皆が少し私から離れた。
成り行き的に、私は征ちゃんの元へ駆け足になって、隣に立つと、にへっとする。
「征ちゃん居てホントに良かった!」
「俺が来なかったら質問攻めされてたね、夏夜の事だ」
廊下に出て一緒に歩きながらいつもみたいな会話をしてにこやかにしていると、何かを呼ぶような声が聞こえてくる。
「あーかしっちー!」
(赤司っち?……)
何事かと思っていたら、隣に居る征ちゃんが溜め息をついた。
「赤司っち!無視はダメっす!……って、?」
「……はぁ」
黄色い髪と目の長身の人が急に目の前に出てきたかと思ったら、私を凝視する。
「な」
「な?」
「何者…スかこの子…?」
声はともかく、この人もしかして…と思っていたら、彼は私をビシッと指差して征ちゃんの方を見た。
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