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「……、俺の幼なじみだけど。」
凄く嫌そうに、そして何だか心配した様子で征ちゃんが呟くと、対照的に黄色い人もとい黄瀬君は明るい笑顔になった。
「え、ま、マジっスか!?でも見たことないけど…」
じろじろと私を見ている彼と私の間に嫌悪感満載の顔のまま割って入った征ちゃんは、『入院してて今日から来た、もういいだろう』と言う。
あ、ちょっと待ってよ征ちゃん。私はこの人と話してみたい。
咄嗟にそう思った私は、彼の服をくいくい引っ張り、
「白宮夏夜です、征ちゃんをいつもありがとう」
と黄瀬君に微笑んだ。
「夏夜……!」
征ちゃんの顔は更に曇ったものの、私はにこやかなままだった。
「白宮さんっスね!こっちこそ!」
髄髄と黄瀬君が近づいてきて、征ちゃんは私に構わず後ろに下がる。
その時。
「やっと見つけた。…赤司。向こうで担任が呼んでいたのだよ」
という、特徴的な口癖の落ち着いた声色が聞こえた。
3人揃ってそちらを見ると、指にテーピングした緑髪のメガネ君が私たちに寄ってきた。
「やぁ、緑間。担任がどうかしたか」
いかにもイラッとしている征ちゃんに若干引きつつその人は再度、『向こうで呼んでいた』と告げた。
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