存在とは

4/5

9人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
私にとって、征ちゃんとは。特別な存在だ。 多分、それはこの先一生変わらない、根拠はないけどそう思える。 それくらい特別で、かけがえのない存在。 それが征ちゃん。 私達の関係が、幼なじみとして依存の仕方や形が歪な事くらいわかっている。 それは彼だって気づいてるはずだ。 だけど、知っててやめない、切らない。 互いが互いの光になって、ようやく、いつもの私たちは成り立つ。 本当に感謝してる。 でも、謝りたい事もたくさんある。 15年間ずっと傍らにいた存在はあまりに大きくなりすぎていて、時々他人事のように驚くが、それが私達。 ……なんだと、私は思っている。 ―――――――― 「いくつ、本読んだんだ?」 私のだいすきな向日葵の花束をくれた征ちゃんは、主に本がどっしり入った鞄を持って、私の手を引く。 「んー…200…はいったかな」 「随分多いな、…俺はいって100だよ」 何故いきなり、本の事を聞いたのかはわからないけど、私は花束を持っている方の手を曲げて、数える。 「印象深いのは…20冊くらいかな」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加