帝光夏夜の1週間①

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「えー、1年からずっと入院していた白宮夏夜さんが今日から復活です、」 担任の先生がハキハキとそう話しているのを廊下で聞きながら、突っ立っていると、『白宮さん』と呼ばれて、私はクラスに入った。 やっぱ、緊張するなぁ らしくない程緊張しつつ、さも何も動じていないような表情をして入ると、クラスメートからの視線が一片に注がれた。 「えっと、白宮夏夜ですっ、知らない人がほとんどだと思うけど、仲良くしてくれたら嬉しいです、よろしくお願いしますっ」 そう言うと、男子の方から白宮さんに質問!と沢山手が上がった。 女子も女子で、にこやかな顔をして私を見てくれた。 良さそうなクラス。 直感的にそう感じ、担任に教えてもらった席へ座った。 中学の机と椅子、大きいな。楽しいな。ワクワクするな。 そう思いながら先生の話を聞いていると、いつの間に終わったのかクラスメートが私の周りに集まっていた。 「大丈夫ー?」 「入院中寂しくなかった?」 「好きなものは?」 「彼氏いるの?」 「学校案内するよ!」 沢山の声に頭がパンクしかけておどおどしていた時、その人はようやく現れた
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