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「ああ、試合近いからな」
朝練が終わり片付けをしていると
倉庫から声が聞こえた。
これは…
真山…
独り言…?
身体を少し前に出して覗いた。
ーあっ電話か…
覗き見をすると、そこには携帯を
耳にあて、話している真山がいた。
「うん、行く。しほ、もいくだろ?」
ードキン
いきなり、自分と同じ名前が口に出された。
ー私のことじゃないのに…
真山の口から出された“しほ“
は絶対に私のことじゃない
ただ同じ名前なだけ…
ーしほってことは、電話の相手は女の人…?
私はさらに身体を前にだした。
ーあっ
私は見てしまった…
彼の…
本当の顔…
彼の本当の笑顔…
彼はいつも爽やかで、笑い顔も目が笑ってない…
のが、当たり前
何をしてもいつも、軽く笑う…
でも、どこかさみしそうで…
辛そうで…
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