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ハァ、ハァ、と息を切らせ着いたのは、みんな大好き風紀委員室だ。
何を隠そう、桜太は風紀委員だったりする。
といっても、すごく強い!でもなく、そこそこ普通。
桜太の場合は、“保護”と“事務処理員”を兼ねたものだったりする。
一ヶ月ほどですっかり慣れたドアを叩くと、中から聞こえてきたのは聞きなれたソプラノボイスではなく、誰もが聞き惚れるテノールボイスだった。
「委員長。桜太知りません?」
遠慮なく中に入ると、そこには知る人ぞ知る有名人の風紀委員長がいた。
しかし見慣れた美少女フェイスはどう見てもいない。
「広谷なら…確か親衛隊の集まりとか言ってたな」
「そうですか。ありがとうございます!では!」
教えてくれた風紀委員長にお礼を言って、もう一度駆けだす。
桜太の親衛隊集まりと言えば、第四音楽室だろう。
なぜ第四どころか第六までの音楽室があるのかは突っ込まないことにしておこう。
*
「おぉ!りったん。どうだった?」
「ウザかった」
どうやらいつも通りの場所だったようで、中に入れば体格のいい奴から、桜太のような美少女フェイスの奴までざっと20人がいた。
そして投げかけられた桜太の疑問には、秒速で答えた。
本当のことだから俺悪くない。
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