2.親衛隊と俺

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まぁ、親衛隊長と副隊長がくっついていいのかという疑問は浮かぶだろうが、ここは他の親衛隊とは全く違うから、無問題。 まず第一に、全員が桜太を恋愛対象に入れてないことだと思う。 うちの学校での親衛隊は、穏便派と過激派とに分かれる。 前者は親衛対象を見守り、あちらのことに口出しはしない。 ただ、本当に危険がせまったときは全力で助ける。 そう言った考えが主流。ちゃんと親衛対象が管理している隊は大体こっち。 そして後者はとりあえず手段を選ばない。 自分でも近づけないのに、自分より劣る者が近づいていいはずがない!と徹底的に排除する。 話せば即、制裁という名のいじめ・リンチ。 とは言ったところで、お坊ちゃんの考えるいじめはどちらかというと可愛らしいものが多いため、そこまで危惧されない。 問題はリンチ。最近は風紀が頑張っているため減ってはいるものの、未だなくならない深刻な問題。 こちらは親衛隊自体を毛嫌いしている生徒会に多い。 生徒の見本なのにな。嘆かわしい。閑話休題。 そして、上記二つに当てはまるのは、“恋愛対象=親衛対象。”。 つまり、根本的に違うわけだ。 こいつは腐ってやがるが、カリスマ性は確かにある。 規模は確かに小さいが、それでもその才能に惹かれて集まった奴らは優秀で、仲間思いで、俺は最高のメンバーだと思っている。 初対面の俺にすら優しくしてくれたしな。 とにかく今日は無礼講だ!と言わんばかりに騒いで騒いで騒ぎまくった。 俺がナチュラルに溶け込んでるのは、いつものことなので誰も気にしない。 この時だけは、転入生のことも忘れ、思いっきりはしゃいだ。
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