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「春瀬、こいつは黒崎稜人。昨日まで短期留学してたが、うちの副委員長だ」
「よろしくー!」
「はぁ、よろしくお願いします」
…よろしくお願いしますはいいんだが、一体今、どういう状況なんだ?
「え、委員長。まさか黒崎先輩に武道を教わるんですか?」
失礼だが、どう見ても出来そうな感じはしない。
たまに親衛隊にも武道が達者な奴がいるが、雰囲気的に違う気がする。
「えー、違うよー!僕、武道なんかできないし」
「稜人を呼んだのは、こいつが発明に長けているからだ」
発明=武道?ますます繋がらない。
一体どういうことだとこんがらがった頭で考えていると、
「実物見せた方が早いよ!」
という黒崎先輩の声と共に、
どこに隠し持っていたのか分からないちょうど俺と同じくらいの物体が出てきた。
布で隠してあるため、詳細は一切不明。
「…これは?」
恐る恐る聞けば、ドヤ顔の黒崎先輩が布に手をかけた。
「ふふーん!布外すよ!じゃーん!」
…。……。
結論から言おう。
なにこれこわい。
人型に模られた人形のようなものは、やけにリアルだった。
顔以外。
何故かマジックで描かれた顔は、見事に崩壊していた。
鼻が顔の三分の一を占めてるってどういうこと。
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