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「しかし…春瀬くん、君はえらくボロボロですね。喧嘩でもしてました?」
「………それについてはノーコメントで」
ぞわっとした。
なんかすごい悪寒がした。
何だこれ。
マイケル一号の呪いか。
…今日、夢に出てこないといいなぁ…。
「りったんが遠い眼して涙目になってるー」
「何があったんでしょうかね?」
ははっ。ほっといてくれよ。
*
「じゃ、じゃあ授業を始めるよ」
残り20分だけどな。
気弱そうな数学担当の先生が、やっぱり気弱そうな声で授業を始める。
そして、何故か桜太の後ろに机を設置し、副会長が座っている。
だから副会長、あんた2年だろ。
ナチュラルに溶け込むな。
「なので…xをこちらに移項し…」
退屈な授業が進む。
クラスの半分くらいはチラチラと副会長を見てるし、それに興味がない奴は寝てる。
真面目に受けてる奴なんか、見てる限りいやしない。
そんなんで大丈夫か、中間。
実質後二週間を切っていたりする。
「あ、先生。そこのyの位置が間違っていますよ。意味が変わってきますので」
「あ、あぁ、指摘ありがとう…ございます…」
いたよ。真面目に受けてる奴いたよ。
けどうちのクラスじゃなかったよ。
そして担当教諭もどうやら生徒会には敵わないらしい。
ただ単に気弱というだけかもしれないが。
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