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授業は無事終わったが、副会長は未だ教室にいる。
なぜ、と思っていたが、書類を捌き始めたので何も言えなくなった。
しかし授業中にやればよかったのでは、と思ったのは俺だけだろうか。
何度も言うが、副会長は2年生なのだから。
しかし、さっきから会長、会計、書記と書かれた書類を床に投げ捨てているのはわざとだろうか。
薄っぺらい紙のはずなのに、
ペシン、ペシン、という音を放っている状況は、地味に怖い。
「竜崎さーん、他の役員の仕事しないんですかー?」
「愚問ですね、桜太くん。僕に健気副会長をやれと?冗談じゃないですよ。あんなアホな奴らの為に体を壊すなんて真似、僕には出来ません。やりたいという気持ちすら、ミジンコほどにも生まれませんし」
爽やか200%の笑顔でサラリと言い切った副会長。
本能的に、この人に逆らってはいけないんだ、と感じた。
なんてったって、雰囲気というか…オーラが半端なく怖いから。
真っ黒通りこしてこれもう漆黒の域だろ。
こわ。
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