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俺の机のそばに自分のいすを置き、頬杖をつく姿は、美少女と言われたところで、疑いもしないだろう。
そんな美少女フェイスを持った友人・桜太は、
「りったん、そんな落ち込まないの!いいじゃない、王道の香りがするんだから!」
と美しいお顔で堂々とほざいた。
お前あれだろ、俺にフラグが立つの期待してるだろ。ってほどキラキラした大きなお目目をこちらに向けてくる桜太に、隠しもせずため息を漏らす。
「お前から聞く王道のどこがいいのかさっぱり分からん。」
「えー、あんなに語ってあげたのに!」
くるくる変わる表情には癒される。
さすが、美少女フェイスといったところか。
しかし次の発言は、少々意外なものだった。
「でも、ウザかったら必要最低限のことしか言っちゃだめだよ。りったんが必要以上に絡まれるの嫌だし」
眉を下げて心配してくれているだろう発言をしてくれた友人を見るのが照れ臭く、ついつい軽口を返す。
「あんなに王道とやらを楽しみにしてたのに、明日は槍かな」
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