1.初めての案内

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「おい、お前おれに謝れよ!!」 あまりにも理不尽すぎる扱いと、大きい声に気圧され、反射的に謝った。 謝ったのはいいが。 「いいぞ!謝ったんなら許してやる!!おれは優しいからな!!」 と返された俺。 え、なんで俺許されてんの? そうか、1か月ほど外の世界(普通の街)に行ってなかっただけで、 “落ちてきた人間を受け止めなければ、謝らなければいけない” という常識が確立されていたのか。 心の中で俺に出来る精一杯のボケをかましたところで特に面白いことが起こるわけでもなく、現状が変わっているわけでもなく。 とりあえず桜太の助言通りに、必要最低限以上のことは口にしないと固く誓った。 「あ、おれは山内愛輝って言うんだ!愛輝って呼べよな!お前はなんていう名前なんだ!?」 やまうちあいき。字は知らんがお前は俺のブラックリストに登録しといてやったぞ。ありがたく思え。 「俺の名前は春瀬り…春瀬。」 途中で名前を言うのを止めたのは、かなりリアルに 「名前を言ったら即名前呼びだよ」 と言っていた桜太の顔と声が再生されたからだ。 どうせだったら名字が名前みたいだったらよかったのに。
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