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悠「チッ…後で覚えてろ。皆!!さっさと上手-カミテ-と下手-シモテ-に分かれてスタンバイして」
悠那は手を鳴らしながらテキパキと指示を出す。
普段は何事もやる気のない悠那だが、劇のことになると人が変わったようにやる気に満ち始める。
この調子で生徒会の仕事もこなしてほしいものだ。
部員3「うわぁヤバい。私、緊張してきた」
部員4「うちもー」
あと5分で始まるというときに、可愛らしい衣装を身に纏った部員2人が手を握り合っていた。
悠「…大丈夫。あんたたちなら上手くやれる」
そこへ、その様子に気付いた悠那がスッと彼女らに寄ってきて、落ち着いた物腰で話しかけてきた。
悠「だってこんなにも可愛らしいからね。それに…」
ふと悠那は舞台裏の隅で小刻みに震えている彩に視線を向ける。
悠「重要な役をやるアレがあんなに震えているんだから、あんたたちなんて可愛いもんよ」
悠那がこっそりそう言うと、2人はクスリと静かに吹き出した。
が、実際の彩は
彩「劇が終わったら私の人生も終わる…」
と違うことに対して体を震わしていた。
勿論、悠那はそのことを知っていたのは、ここでは内緒にしておこう。
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