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伶「それと、悠那の『帽子屋』も良かったわよ。観客たちは大変気に入っていたわ」
伶奈がゴソゴソと荷物を漁くり出して見せたのは、悠那の『帽子屋』の写真がでかでかとプリントされている団扇だった。
それを見た悠那は発狂すると、直ぐ様伶奈に詰め寄り
悠「何処で売ってた!?」
と脅すような勢いで尋ねた。
伶「タダでは教えないわよ?」
伶奈はフフンと余裕たっぷりの笑みを見せながら言う。
すると悠那が「わかったから!!!」と切羽詰まって答え、その答えに伶奈はニコリと笑みを深めさせた。
伶「そう。…売り場は舞台の会場から10メートルほど南西に進んだところよ」
何故こんなにも正確に断言できるのか。
彩と悠那以外の誰もがツッコミたい気持ちでいっぱいだった。
悠那は伶奈の言葉を聞くや否や、物凄いスピードで走り去った。
悠那がいなくなった控え室で、1番最初に口を開いたのは彩だった。
彩「悠那親衛隊の子たち?毎度凄いよな」
「色んな意味で」と後から彩が付け足すと、伶奈は「そうね」と楽しげに微笑みながら相づちを打った。
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