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「流石部長ですねっ。あー、私もその団扇が欲しかった…」
「あたしもー」
「うちはクリアファイルとか…」
彩と伶奈が悠那が走り去った方を眺めながら話している間に、演劇部の部員たちがちらほらと悠那の話を持ち込みだした。
何を隠そう演劇部部長の深田悠那は、この学校の王子様的な存在なのである。
その中性的な顔立ちと言い、演劇によって身に付けた上品な振る舞いと言い、そして決定的なものが、全ての女の子に優しいというところが人気の理由なのだろう。
その人気故に、いつの間にか親衛隊などの一種のファンクラブが出来上がっていた。
流石女子校といったところだ。
伶「あら、それならたくさん買い込んでおいたからあるわよ。欲しい?」
伶奈は残念がる部員たちを見て、どこからともなく悠那グッズ(帽子屋バージョン)をたくさん出し始めた。
クリアファイルや団扇は勿論、ペンやタオルなどの品々があっという間に目の前に並べられた。
それを見た部員たちは、一瞬にして目を輝かせ、悲鳴に違い黄色歓声あげながらその品々に飛び付いた。
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