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彩「覚えてないって?何が?」
彩は眉間に皺を寄せながら首を傾げる。
イケメン「何って、俺ら新撰g 伶「はいはい、そこまで」
イケメン男性が何かを伝えようとしたが、ずっと黙って成り行きを見ていた筈の伶奈がそれを遮って間に入ってきた。
イケメン男性は怪訝そうに顔を歪めたが、伶奈のナイフのように鋭い視線に気付き、そっぽを向いた。
伶「彩、あんたは会長なんだからここで油を売っている暇なんてないでしょう?」
伶奈がにこりと笑いながら彩に仕事を促す。
すると何も気付いていない鈍感な彩は、「ああ」と何かを思い出したかのように拳を自分の掌で打ち、回れ右をしてその場を去る。
その際、イケメン男性が彩を呼び止めようと手を伸ばすが、ピシャリと伶奈に叩かれてしまう。
伶「事が荒立つ前にここから去りなさい」
伶奈の表情は先程彩に向けていた笑顔ではなく、冷たいものだった。
表情だけでなく、口調と言い、声と言い、彼女を取り巻く空気までもツンドラ気候並みに冷たいものだった。
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