お前ら…誰だ?

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大人っぽい顔立ちとは言えど、目の前で威圧感を出しているのは所詮女子高生だ。 男性はチッと小さく舌打ちをして彼女を睨み付ける。 それでも伶奈は怯まないので、大したもんだと後ろにいた少年は思った。 伶「それから、これは忠告よ『土田歳允-つちだとしただ-』さん」 初めて会った筈の少女に、意図も簡単に自分の名前を言い当てられた男性、そして少年までも目を丸くさせて伶奈を見た。 伶奈はと言えば、そんな2人の表情を確認すると満足そうに口角を上げた。 伶「あんたの気持ちはわからなくはないけれど、二度と彩に近づかないで頂戴」 それだけを言い残して、伶奈はくるりと踵を返して彩が走り去った方に向かって歩き出した。 彼女が歩く度に、彼女のさらさらとした腰まである髪がさらりと左右に揺れる。 その場に残された2人は、黙ってそれを眺めていることしかできなかった。 2人には、やっと見つけた筈の小さな星を見失ってしまったような感じがした。 _
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