りんご

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¨ 小さく呟いた小さな男の子 何を言っているのか理解できない 「僕は宇宙ステーションに乗ってない」 男の子はあたしに近づいてくる そういえば、この子がいつからいたのか分からない 当たり前にいた ずっとそばにいた 一体いつから? 男の子があたしの腕を掴んだ はじめてあたしは手が震えてることに気付く 男の子はその手に真っ赤なりんごを載せる 彼は微笑む 「○○がいないと意味がないんだ」 かちっ まるで音が実際になったようだった 頭のピースがはまった そうだ 博士がいなくなった日だ 男の子がいるようになったのは 「愛してる」 彼は言った 目には熱いものが見えるようで、あたしの心をついた 分からない ぐちゃぐちゃしてて、分からない 今あたしの手が震えているのは喜び? それとも悲しみ? けど、ずっとそこに居たんだってことは分かった それだけ分かった 溢れてくる欲 ずっとずっと我慢していた 彼を呼ぶこと 「博」 無音 強い光だけが視界を覆う その瞬間ひとつの世界がすべてから姿を消し、 .
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