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2XXX年 地球は最早人間には住めない土地となっていた
海は汚れ、空は淀み、川は死んだ魚で埋め尽くされていた
それに比例するかのように、機械技術はどんどん伸びていた
人間と同じことをするロボット
道に溢れているのはまさにそれだ
ただ、ロボットに心を持たせることは困難だった
私を作った博士は特に優れていたのだろう
私だけは心を持つことができた
といっても、中途半端に終わってしまったが…
ある日、ニュースが発表された
「2XXX年X月X日X時X分X秒、巨大隕石が地球に落下することが、YYYの研究員、ZZZ氏により発表されました。ZZZ氏によると、隕石墜落の影響で地球は破壊されることが予測されるようです」
このニュースは世界を騒がせた
人間を変えてしまった
まだ地球を救う道があると必死になる者
地球は諦めて、他の星に住もうとする者
もう死ぬと投げやりになり、犯罪を起こす者
冷静でいられた者は誰一人としていなかった
私の博士もその例外でなかった
あれほど愛していた心の研究を止めた
宇宙での生活に関する研究を始めた
朝から晩まで、眠らない日さえあった
顔つきが変わった
目が変わった
博士は博士でなくなった
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