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慌ただしく赤く光る警報はそのけたましい音をなり続かせていた。耳を劈くようなその騒音は、少年少女達に逃げろと告げている。教師陣は各階にいる生徒達を誘導しながら校庭に集わせていた。
――誰が鳴らしたのか定かではないが、何処からか硝煙のにおいがするので恐らく火事だと、この学校にいる人間はそう思っただろう。
実際に4階の科学実験教室から煙が上がっていた。
「舞台は上々、ってとこかな」
少女はただ一人、逃げずに屋上で佇んでいる。逃げることで必死な生徒や教師達はその少女の存在に気付かない。屋上から下の校庭を見下ろすその姿は、まるで神にでもなったかのような錯覚をさせるようだった。
風が吹き抜けていく中、少女は笑みを浮かべた。
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