保健室

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『バラにはとげがあるのに、オスの蜂はよってたかる。やがて薔薇と蜂は一枚の絵になる。』 無造作に机の上に置かれたノートは、読んでくれと言わんばかりに開いていた。 そこには左側のページの上から三行にまたがって詩のようなものが書かれている。 佐藤は、その一文に一瞬意味もなくドキッとしたが、すぐに馬鹿らしくなった。 ポエムなんて生まれてこの方書いたことなどない。ましてや書けないし、恥ずかしすぎる。 佐藤はいいネタを見つけたと内心喜び、友だちの金子の席へ、笑いをこらえながら走っていった。
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