始まり

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――まずは状況を整理しよう。そうしないと発狂しそうだ。 目の前の女なんてほっとけ。どうせヤバいやつだろ。 今は学校からの帰り道。そして、 「君には、異世界に行ってもらう。」 わけのわからない女が、そう話し掛けてきた所だ。 さて。どうすべきか。 まぁ、通報すりゃいいか。 のろのろと携帯をポケットから取り出す。 ――思えば、最近ツイてない。 今朝の登校中に車に轢かれそうになるし、財布も落とした。 昨日は犬に噛まれたし。本当に運が悪い。 極めつけは変な女と遭遇か。ははは。なんか笑えてきた。 『…はい。〇×警察です。どうしましたか?』 お、繋がったか。 「すいません。ちょっと変な女が…」 いるんですけど、と続けようとした時。 「では、いってらっしゃい。君が『存在する意味』を、見つけておいで。」
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