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次の日の朝に英二がやってきた。神野たちに英二は心を込めて謝っていた。
「本当にすみません。迷惑をおかけしました」神野はにっこり笑った。
「いえいえ、気にしないでください。あと、もしかしたらまたこのようなことがあるかもしれないので、僕のケータイの電話番号を教えておきます」そう言って電話番号を伝えた。
「またね」
「うん、ばいばい」二人の親子はそのまま車に乗って帰っていった。
朝ごはんを食べながらも瑠璃は少し不安そうな顔をしていた。それに気がついたのは神野だった。
「どうかしたの?」
「いえ、なんでもありません」しかし、瑠璃の表情は暗かった。
「あのとき、いえなかったのですが、楓ちゃんの心の中に黒い何かがあったんです。もしかしたら、まだ問題は解決していないのかもしれません」
神野は瑠璃に優しく言った。
「そのときはそのとき。すぐに対応するし、それに本人たちが解決しないといけないこともあるんだ。警察がいつでも入れるわけではないんだ」
「ありがとうございます」瑠璃は心がすっきりしたみたいだった。
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