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次の日、朝一番の飛行機に乗って東京に特捜係は帰った。とりあえず、楓は瑠璃が預かることになった。瑠璃は楓を連れて自分の家に連れて行った。
「楓ちゃん、ジュース飲む?」
「うん」少し元気のない返事だ。瑠璃は心配になりながらも楓にあることを話した。
「実はね、私には秘密の力があるんだ」と瑠璃はゆっくりと話し出した。楓は興味深く瑠璃の話しに耳を傾ける。
「私にはね、人の心の中が見えるんだ」
「心の中?」瑠璃はうなずく。
「そう。考えていることが分かるんだ。だから、楓ちゃんの考えているつらいことも分かったんだ」楓はうれしそうに笑った。
「そうなんだ」瑠璃はしっかり楓の顔を見ながら訊ねた。
「楓ちゃんはどうしたいのかな?」楓はつらそうに顔をしかめる。
「...」
「出来ることを私たちが手伝うから。話してみて?」楓の心に強い想いがこもる。
(お母さんに認められたい。どうして私を好きになってくれないの?)楓の頭を瑠璃は優しく撫でた。
「そっか。言わなくてもいいよ。大丈夫、きっとなんとかなるから」楓はうれしそうにうなずいた。
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