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警視庁に帰るとき、神楽は瑠璃に腹を立てていた。
「神楽、何怒ってるの?」すると神楽は怒った顔でこう言った。
「瑠璃さんには分からないのですか?英知さんにあんなことを言わなくてもいいじゃないですか!彼はまだ子供ですよ?」
「分かってるよ。言い過ぎたとも思ってる。だけど、英知君には早いけど理解してもらわないといけないの」瑠璃は冷静に答えた。
「何を理解するのですか?」瑠璃は息をゆっくり吐きながら言葉を続ける。
「今の子は、親のことまたは教師の言うことを素直に聞くのがいい子だと思っている」神楽は不思議そうに首をかしげる。
「そうじゃないのですか?」瑠璃は首を横に振った。
「違う。それだと『自分』を見失ってしまうの。『自分』の考えが見つからず、相手のいいなりになってしまう。英知君には越えないといけない壁があるの。それを越えてほしい」瑠璃はそう言って前を歩く。
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