2.誰の子?

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 結局、やることがなく各自家に帰ることになった。瑠璃は今夜の夕食を買って家に戻った。玄関を開けると楓が迎えてくれた。 「ただいま」そういうと楓はうれしそうに笑った。 「おかえり」瑠璃はすぐに夕食を作る準備をし始めた。 今夜のご飯は、シチュー。テーブルに食事を並べて、二人は食べ始めた。 「楓ちゃんにはお兄さんがいるって聞いたけど、仲が悪いの?」楓はスプーンをテーブルに置いた。 「うん。私、あいつきらいだもん」口を尖らせながら楓は言った。瑠璃はそんな様子を見ながら優しく話しかける。 「そっか。でも、どこが嫌いなのかな?」ちょっとだけ楓はつらそうな表情をした。 「だって、私のこと避けてるし、いい子ぶってるから」なるほどと瑠璃は思った。しかし、それは楓の誤解だった。 「そういう風に見えるんだね。楓ちゃんはお兄さんと仲良くなりたいとは思わないのかな?」 「なりたい。だけど、避けられてる...」瑠璃は楓の頭をぽんぽんした。 「なら、その気持ちをお兄さんに伝えないといけないよ。伝えないと分からない。お兄さんも仲良くしたいって思ってるかもしれないからね」楓は笑顔になった。 「うん、私お兄ちゃんとお話ししたい」瑠璃はその後、英知に楓が会いたいといっていることを伝えることにした。
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