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神野は名刺に書かれている楓の父の会社に電話をかける。
「はい、こちら井川株式会社ですが」と受付の方が電話に出た。
「私、警視庁の神野と申しますが井川楓さんのことで電話をさせていただきました。社長の英二さんとお話させていただきたいのですが...」そういうとすぐに受付の人が英二さんと連絡を取ると言ってくれて、しばらく待つことに。
すぐに電話は英二さんに変わった。
「お電話代わりました、英二です。娘のことでなにか?」穏やかな声の人物だった。
「お仕事中にすみません。娘の楓さんを松山で保護させてもらっているのですが...」電話口から驚いた声が聞こえる。
「松山にですか?」
「はい。知らない人に連れてこられたと楓さんは言っているのですが」しばらく沈黙が続く。
「それは本当ですか?」神野を疑っているみただった。神野はすぐに楓と電話を代わる。
「お父さん?迎えにきてほしい」と先ほどとは違ってうれしそうに話し出す楓。
「楓なのか。分かった、すぐに迎えに行こう。さっきのおじさんに代わって」
「では、明日そちらの旅館まで迎えに行きますのでお願いします」そう言って英二は電話を切った。
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