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「旦那、ごめん・・・」
そう言って、佐助は麗沙の部屋にこもった。
麗沙が目覚めるのを待ちながら・・・。
昨日は、佐助は一睡もしなかった。
別に、寝るつもりはなかった。
でも、睡魔が襲ってきた。
「こんな、肝心の時に・・・」
と思いながら、佐助は重たいまぶたを下ろした。
「ここはどこ?私は誰?」
麗沙は、真っ暗の空間に1人でいた。
自分がわからなかった。名前も・・・。
「あなたのせいよ!」
「あんたが生まれたせいで・・・。」
「あーあ、かわいそう・・・あの人に、巻き込まれて命を奪われたなんて」
「もう、まったくよ!」
自分にむけられている言葉にしか、聞こえなかった。
麗沙は、気づいた。
「私は、生まれたらいけなかった人なんだ」
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