序章

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  防衛医大出身で、医師でありながら幹部自衛官だった両親は今回、医療班の担当として派遣されていた。 その帰宅途中で、不慮の事故に会ってしまい還らぬ人となってしまった。 廊下に立ち尽くしていた僕の気配に気づいた叔父が、僕の方へ歩み寄ってくる。 「善司くん…」 「…父さんと母さんは?」 黙り込む叔父。 胸の奥が苦しくなった。 あの訃報の知らせは冗談で、笑顔で迎え入れてくれると心のどこかで願っていた。 しかし、現実は違った。 「死んだって本当だったんだね」
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